ダイニングチェア - dining chair -
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県内にお住まいのF様からのご依頼で パーソナルチェア(ダイニングチェア)を製作させて頂きました。
お使いになるのはF様のお嬢様で 脚・腕・背などの筋力が若干弱めで介護が必要な場面もあり慎重に
企画・製作を進めていきました。(以前・・ お嬢様Yさん用に 介護型パーソナルチェア(トイレ付き) を
製作させて頂き その時のデーターも参考にさせて頂きました。)
パーソナルチェア(トイレ付き)と同じく 今お使いのYさん用ダイニングチェアも幼少時からお使いのもので
Yさんの成長にともないサイズが小さくなってきたので 新調されたいとのご依頼でした。
F様のご希望は
・木目がわかりやすく 木のぬくもりが感じられる 優しい椅子。
・Yさんの身体に合わせて 立ちやすく 座りやすい椅子。
・松本民芸家具の食卓セットに合わせたデザイン・サイズの椅子。
(色目は調和がとれていれば 民芸家具の色には合わせなくても良い・・)
とのことでした。
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デザインは シンプルな中に曲線・丸みを持たせ 優しい椅子をイメージし下記図面のデザインに決定しました。
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食卓の椅子なので 床を前後に滑らすため 比較的に軽めの椅子を考えました。
(補助が必要な場面も想定しながら・・)
肘掛のポジションも立つ時に身体を押し上げやすいよう・・間口間隔は狭め・高さは低め(通常より5cm低く)
また前方に長め(立つ時は前方に手を掛けるため)の設計になっています。
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完成したダイニングチェアの写真です。
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木材はタモ材を使用し 素材の質感が伝わるよう オイルの白木仕上げにしました。
肌に当たって痛くないよう 全体的に丸い面取りを心がけました。 |
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腹筋・背筋力が弱めな場合・・
座っている時にお尻が前方に滑り気味になり姿勢の保持が困難になります。
そこで座板の厚みを42o(通常30oくらい)の厚い板を使用し 坐骨の位置が安定するよう
ピンポイントで深く(35oぐらい) 彫り込みました。
(木の座面でもお尻が痛くならない意味もあります。)
その他 実際にYさんに椅子に座っていただき 足の長さに合わせた座面高を決めて行きました。 |
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Yさんの椅子をお納めした後 F様お母様よりメールをいただきました。
ご紹介させていただきます。
昨日はありがとうございました。
今までのイスに慣れていたので どうしても前の方にいってしまいますが 時々姿勢を正し深く座っています。
ひじも横に置き ゆったり座っているYを見ますと 私も幸せな気持ちになります。
優しい木のぬくもりを感じながら Yも心地よい楽しい時間が過ごせると思います。
夜家族みなで Yの椅子に座ってみました。みんなとても座り心地が良いと言っていました。
以前作っていただいたトイレつきの椅子は もうすっかり慣れてYの椅子になっています。
体になじむまで少し時間がかかりますが 今回の椅子もYにたくさんの幸せを運んでくれると思っています。
Yの体の状態をしっかり受け止めて ていねいに作ってくださり感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
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食卓用の椅子なのですが 食事以外にこの椅子でくつろぐ時もあるとのこと・・・
機能・実用性以外に Yさんを優しく包み込む椅子をイメージし製作させて頂きました。
実際にYさんがどう感じて使っていただけるのか・・
今後のメンテナンスも考慮しながら永く見守っていけたらと思っています。
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size : W490×D540×H850(SH430)
price : \99,750(税込)
木材 : タモ
塗装 : オイルフィニッシュ
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2009.7.27
家具工房 スタイル・ガレ keizo_galle@ybb.ne.jp
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