水屋箪笥
  mizuya    TA-05


                              1220×450×1720mm 栗材・(引き出し内桐材)オイル仕上げ

今回スタイル・ガレの定番商品として水屋箪笥を製作しました。

水屋とは本来茶道の用語で 茶室の隅で茶器を洗ったり置い
たりする場所のこと。江戸後期頃から様々な和箪笥が作られ
るようになり 台所周りで使用するために作られた箪笥(食器
や食べ物を収納)を水屋箪笥と呼ぶようになったそうです。

地方によってデザインも使用材料も異なりそれぞれ特徴が
あります。
寸法は間口6尺・4尺・3尺、奥行き1尺5寸、高さ1間という
のが基本的なサイズで 今回は間口4尺・1220ミリを選択し
(大きすぎず小さすぎず) 奥行き450ミリ 高さは1720ミリに
しました。
デザインは松本家具のデザインを取り入れました。色んな
スタイルの中でもこのかたちが一番美しい水屋箪笥と自分
なりに思っています・・。

松本の和箪笥は本来ケヤキなどが主な素材ですが
普段栗の質感を好んで使っているので栗材を使用しました。
(引き出し内部のみ桐材)

 
 
 





この箪笥の特徴は引き出し・開き戸・引き戸と木工技術を
多彩に使っていること。本体が上下2段重ねになっており
セパレートにして別々に使えること。(上・下台の高さが同じ
なので 並べてサイドボードの様にして使用出来ます。)
右上のくり抜き文様の飾り桟を左右にスライドし開き戸の
開け閉めがカラクリ仕掛けになっていることなどが特徴です。
あと 肝心な金具ですが 市販の金物では重厚感も質感も
今ひとつで・・ 今回はアンティークの和箪笥で使っていた
引出し金具を磨き直し使っています。
今後はハンドメイドの金具を鍛冶屋さんにお願いする予定
です・・。 







製作にあたり一番気をつけたことは 昔ながらの古い家屋・
例えば茅葺屋根の家などに置いても調和する雰囲気がある
水屋箪笥をイメージしたことです。
良く家具センターにあるような艶のあるいかにも”THE和箪笥”
のような感じだけはならないように・・・。
また 無理やりアンティーク風に仕上げることは避けようと思い
ながら慎重に製作していきました。

実際完成した姿は イメージ通りで こんな箪笥が欲しかったと
自分でも思える箪笥になりました。

是非多くの方に見て頂いて 感想を頂きたいと思いますし

できれば今後もスタイル・ガレの定番商品として製作していき
たいアイテムです。




お問い合わせは こちら をご覧下さい。







組立風景

 下台本体 

 部材


   水屋箪笥は 構造の全てが 框(かまち)組み(木枠で構成
   されている)のため 部品数がとても多い事が特徴です。


   左写真 右下は裏板材で フローリング構造のように一枚
   一枚 雇いザネ(ホゾ)で組まれていきます。

 組立

          


   組立はホゾとホゾ穴に接着剤を塗り 組み立てられ
   最後はクランプによって締め付けられます。



 上台本体 

  部材
         


  組立
 
 
 

 

   上台の組み立ては 引き出し・開き戸などが付くため 間仕切りが多くさらに部材が増えます。
   組み立て手順は まず正面と裏面の枠を組み立て 接着剤を乾燥させた後 前後を繋ぐ部材を組み 立体的にしていきます。
   接着剤が乾かないうちに組み上げなければならないため 作業スピードが必要となります。




 上下本体組立後 

    


   上下本体を重ね 重なり具合(隙間や直角)を確認し
   上下の納まりを鉋で削り調整します。

 引き手埋木 




   引き戸の取っ手は タガヤサン(堅木材)を使い
   オリジナルの引き手を埋め込みます。

 引き戸組立 

 部材




   組立
  
   本体に合わせ 加工された戸を組立てます。
   戸のデザインの特徴である薄く割かれた鏡板をすのこ状に
   一枚一枚組み込み 組立てていきます。




 部材

  組立
  
  


 開き戸 

 部材





   くりぬき模様がある引き戸の組立。
   くりぬきの桟はスライドし 扉をロックする仕組み。

 飾りびょう下穴開け 



   飾り鋲の下穴を開けます。

 棚受け構造 



   棚板の受け桟は棚板をセットした後取り付けられるよう
   スライドさせて分解できる構造になっています。
                                                PageTop






家具工房 スタイル・ガレ  keizo_galle@ybb.ne.jp